妄想散文置き場、時々日記。小説リストは左からどうぞ。(R)は18歳以下は見ちゃ駄目よ☆です。
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Name:毎日がエイプリルフール!
管理人:セミ URL:http://waraiya.blog.shinobi.jp/ フリーリンクですお気軽に。 報告も必要ないです。 ※BLとかパラレルとかはたまたイヤンなものとかあるんで図書館で閲覧とか公式見た後にすぐ飛ぶとかオンラインブクマとかは遠慮していただきたい…!あとBLとか腐ってないとことかからリンク貼る時はBLあるよとか明記してあげてください常識! (ゴミ箱代わりにしてたから必要ないかと思ったけど手風呂からリンクつなげちゃったから一応……)
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Tegaki_blog
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ちょっと旅行に行ってくる、と、新一が家を出たのは約一週間前だ。嵐に閉ざされた孤島で高校生探偵事件解決!の記事が新聞に載ったのは二日前。帰ってくる予定だったのは昨日だ。そして俺は家にも帰らず工藤邸で新一の帰りを待っている。自宅には学校の荷物を取りに帰ったぐらいで、生活の殆どを工藤邸で過ごして居る。理由は一つだ。工藤新一が心配過ぎたので。
一日帰りが伸びる、なんてことは普通なら時々あるかもしれない。そう大して心配することでもない。しかし相手は工藤新一だ。一歩外に出れば悲鳴が上がり、どこぞに遊びに行けば連続殺人事件が巻き起こったりする。連絡も無しに一日帰りが伸びるともなれば、確実に何かしらの組織だかなんだかの陰謀やらに巻き込まれていそうなのだ。 そんなわけでそわそわした日曜の朝を迎えている。帰宅予定は土曜の夜。現在日曜早朝。窓の外では平和に雀がチュンチュン鳴いている。カーテンを開けてあまりに天気が良かったので、落ち着かずに意味もなく変なステップを踏んでみたりした。 トントンとジャンプしながら玄関へ向かう。やはり靴は一足無い。3度目になる靴による帰宅の有無を確認してから、落ち着かないまま台所へ向かった。 冷蔵庫の中身は家主が居ないため揃っている(というのも、新一は簡易に食えるものを置けば置いただけ片っ端から食べていくくせ、しかし肉や野菜の材料には全く手をつけない。その所為であっという間に冷蔵庫の中身が駄目になっていくのだ)。適当に卵とベーコンを取り出して朝ご飯の支度なんぞをし始めた。工藤邸に通い始めてから黒羽快斗の料理の腕は右肩上がりだ。いっそマジシャンじゃなくてシェフにでもなってやろうかという勢いだ。ならないけど。 ジュウジュウと音を立てて跳ねる卵を見ながら、もしも、と考えてみた。黒の組織は二人で力を合わせて半ば壊滅状態まで追い込んではいる。今は時期じゃないと見てそこら辺の活動は控えてはいるが、もしかすると最後の抵抗ということで新一に対して何事かを謀ったのではないだろうか。誘拐とか。誘拐。 考えていたら卵が焦げた。 半分黒くなった卵とベーコン、トーストをリビングのソファでむしゃむしゃやりながら、いやいやと考える。誘拐だったらおそらく新一なら土曜のうちに片付けてしまうだろう。なんせ孤島での連続密室殺人事件の後なので、テンションは最高潮の筈だ。そんな新一が大人しく誘拐されっぱなしとは考えにくい。ならば他に何が、と考えて、うっかりストーカー説を考えてしまった。 同じ顔をしているので何ともといった感じだが、整った顔をしている新一は随分とおもてになる。うっかり有名高校生探偵なんてことまでやらかしているので知名度は抜群だ。女のファンも多いが男のファンも多い。そう、やっかいなのは男のファンの方なのだと、新一の友人をしてみて実感した。 女性のファンはなんだかんだ言ってファンなのだ。アイドルかっこいいと同じ次元で新一様かっこいいなんて言ってるから、いくらファン人数が多いからとはいえそれは恋愛対象にはならないということだ。権勢しあってもいてくれているので、統制が取れている。 しかし男はまず憧れから入り、うっかり友人なんてものになれてしまったりする。それでもって新一はかっこつけなので、そういうちょっとした友人ならば憧れられたら憧れられたままの新一で接してしまうので、且つかっこつけのくせにちょっと生活が自堕落など抜けていたりするところもあるので、且つ危なっかしいので、あとサッカーのことになるといきなり可愛くなりだすので……要するに、恋愛圏内に入ってしまうことが多いのである。 こと恋愛になると、事件での洞察力はどこいったと言わんばかりの鈍感っぷりを発揮される新一様である。当然相手の気持ちにも気付かないままサッカーの試合に勝てば抱きついたりほおずりしたり感動のあまりあまつさえキスなんかぶちかましてしまったりするのだ。そりゃ勘違いもするわ。この野郎。 ……閑話休題。とにもかくにもそんな人らに絡まれていたとしたなら。家とかに連れ込まれていたとしたなら。凶悪犯なら存分に黄金のおみ足を繰り出す新一だが、自分の事を好いてくれている一般市民にならどうだ。さらにそれが自分の友人だったなら。 そんなこんな考えていたら、トーストの上に載せていた卵がベーコンもろとも床に落ちた。 汚れた床を掃除していたら、テーブルに置いていた携帯が大音量で鳴り出した。飛びついて携帯を取ると新着メールが一件。 ”鍵開けろ” 当然新一様からである。安心したのと呆れたのと憤りが綯い交ぜになりつつ、玄関までドタバタと走った。怪盗キッドの影など微塵も無い走り方だが致し方ない。なんせ新一様のお帰りなのだ。 しかし無事に帰ってきたようで良かった。誘拐にすれ家に連れ込まれたにすれ、帰ってきたということは何らかの解決をしてきたのだろう。うんうんと安心しながらドアの鍵を開け、ガチャリとノブを回して、扉を開いた。 閉じた。 「おいこらてめえ閉めてんじゃねえよ!」 「どちら様ですかここは工藤さんちの新一君の家ですよ!!」 「ばーろぉ俺が新一だ!!」 「どっちかっていうとあんた新子さんでしょう!!!」 「うっせえ!!!」 勢いで扉が向こうに持って行かれ、ドタンとすっころぶ姿が見えて思わず慌てて近寄って後悔した。はだけた胸元からバッチリ見えてしまったのだ。 ……ふくらんだ胸が。 「娘溺泉に溺れましたとか言うなよ……」 「ああそうそう、なんか中国で泉に放り込まれてさあ」 「おおおおいいいい!!!」 *** ら/ん.まのパロディ。ていうか男→女体化の新一さんが見たい。一つ屋根の下でdkwkする快新が見たい。 とか悶々しながら就活してます。 PR 2009/06/07(Sun) 00:03:35
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