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妄想散文置き場、時々日記。小説リストは左からどうぞ。(R)は18歳以下は見ちゃ駄目よ☆です。
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2024/11/23(Sat) 23:06:27
 室内とはいえ廊下は寒い。室内に入ってもその寒さは変わらず、しかし俺はそれに対する文句もひとまず脇に置いていそいそとリビングの中央テレビ前に寄っていく。蜜を求める蜂や蝶なんかはこういう気持ちだったんだろうかね。
 足先を布団の中に突っ込めば柔らかな暖かさが冷え切った足先を包み込む。そう、炬燵だ。電気仕掛けのそれは触れた傍から凍りきった肌を溶かしていく。溶けていく。
 「あなた今すごくエロい顔してましたよ」
 不穏な言葉の後すぐに不穏な暖かい裸の足先が俺の足に触れてくる。間違いのような接触はすぐに離れていったがこれはきっと故意だ。狭い炬燵の中確かに足同士が触れる確率は高いが、態とか否かは案外わかるものだ。
 睨みつけてやれば肩を竦めて笑いやがったので、嗚呼こいつバレてほしかったんだと知る。苛っとしたので冷たくなった足先で暖められた脹ら脛らしきものを思いっ切り摘んでやったら「すみません、悪戯心で」と案外簡単に謝ってきた。俺も別に男の足に触っていたがるような性癖は持ち合わせていなかったのですぐに離れる。足先もお陰で暖まったことだしな。
 ……変態と炬燵で向かい合っているなんて事実は直視したくなかったので、俺は離れた瞬間古泉がちょっと残念そうな顔をしたのを見なかった事にした。
 炬燵の中でぼんやりとする、というのは日本人の特権であり呪いでもあるだろうと思う。ここいらで蜜柑なんて欲しいなあなんて思い始めれば、駄目人間な自分を自覚してしまうのだ。これが人間を駄目にする。
 駄目だ駄目だと思いながら出られないのが炬燵の魔力だ。何やってんだかなあと幸せな気持ちでいると、こつりと足が当たる。「すいません」と慌てて古泉が言ったので態とではない事はわかりきっていたが、何となくこちらからもぶつけてみた。すると顔に似合わず案外こういう細かいところでは負けず嫌いな古泉がまた足をぶつけてくる。当然俺もぶつける。
 そんなこんなでドタバタしていたらまあ当たり前に上に乗っている机も揺れるわけで。まあ机が揺れればその上に乗っていた本やら鉛筆立てやらお茶やらも倒れたりするわけで。
 最終的には二人して溜息を吐くことになるのである。本当に何やってんだかなあ。

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2007/12/04(Tue) 06:15:04
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