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妄想散文置き場、時々日記。小説リストは左からどうぞ。(R)は18歳以下は見ちゃ駄目よ☆です。
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2024/11/23(Sat) 22:56:38
※古キョンで二人がなんかくんずほぐれつしてます注意!





 ズルリと体内で古泉が滑り抜け出していくのが解った。その排泄感にも似た微かな快感に俺は奇妙な呻き声を上げて体を捩らせる。古泉の熱い息が肌にかかって高らかな音をたてて痛いぐらいに吸いついてきた。首と胸との境目、ちょうどシャツで隠れるか隠れないかの部分だ。どうせつけるなら確実に見えないところにつけてもらいたいもんだと悪態を吐きたいところだが、体内で熱く蠢く古泉が鋭い進入をかましてきて、俺は口を閉ざさなければなくなる。

 ……こういう事をするのは実は初めてではない。数えてみれば3、4回目などというなかなかな回数だ。男同士で不毛に何をやっているのかね、全く。

 始まりは断じて俺ではない。いやきっかけを作ったのは俺なのかもしれないが、しかしこの状況に持ってきたのは明らかに古泉だ。俺はただ、「おい古泉、ここに爆弾があるんじゃないか」と言っただけだ。ご丁寧にもライターを持ってきて爆弾の導火線を探し出しカチリと音をたててライターから火を放ったのは古泉だ。
 御託は良いからとっとと話せって? ああ、あれは何だったっけなあ。そうだ、俺の机に何やら薄い本が入っていたのがきっかけだった。放課後先生に呼び出され、漸く帰れるところになって机に手を突っ込んだところ、それがあったのだ。疑問を持って何の警戒もせず俺はその本を取り出した。何かの説明書か何かを、誰かが間違えて俺の机に入れてしまったんだろうと思ったんだ。しかし実際には、それならば俺の机に入れておくよりもどこかわかりやすい場所に置いておいたほうが良いだろうという俺の親切心をそりゃあもう地べたに捨てられた火の消え掛けた煙草のようにぐりぐりと踏みつけるようなものが入っていた。
 表紙は良かったのだ、表紙は。どこか見覚えのあるキャラクターが右斜め下に鎮座しており、淡いブルーのフィルタがかかって、細かい模様の施されている表紙だった。そこで手を止めなかった俺も悪い。悪いだろうが、やはりそこまで見てしまえば中身が気になってしまうものだろう。パラパラと頁を捲ってから、俺は後悔した。とんでもなく後悔した。そこには男同士の絡み吐く肉体が描かれていたのさ。絵が綺麗で何かこうモザイクのかかっているものを突っ込まれている方が女っぽかったのがまだ救いだった(後に本屋でそれが自分の好きな漫画のキャラクターだったと気付いた時にはかなり落ち込んだがな)。
 こういうタイミングの悪い瞬間に俺の目の前に表れるのが、古泉一樹という野郎だ。
 突如教室の後ろの扉がガラリと開き、「やはりあなたでしたか」といつものうさんくさい笑顔を浮かべて古泉が何の遠慮も無しに俺の傍へやってくる。慌てて俺は持っていた本を隠そうとして、隠してしまえば逆にヤバいだろうと思いなおしてため息を吐いた。「途中廊下を歩いているのを見かけまして」じゃねえよ、もし俺じゃなかったらどう言い訳していたんだおまえは。
 「おや?」と言って古泉は俺の手元を覗きこんだ。そう、問題の薄い本だ。何も言わずに古泉にそれを手渡してやると、古泉は何の躊躇も無く頁をペラペラと捲っていった。一瞬驚きに見開かれた目が、すぐにいつもの色を取り戻してから、俺は口を開いた。
 「誰かが間違えて俺の机に入れたらしい」
 「なるほど、あなたが購入されたものだったのならどういう反応を返そうかと少し迷ってしまいましたよ」
 「俺が買うかよ、そんなん」
 苦笑のかたちに顔を歪めて、いかがわしい本を手に肩を竦める古泉。……なんだか見ていてシュールな映像だな、おい。
 古泉の手から本を取り去り、また俺の机の中に入れなおす。そんな俺の行動に僅かに目を見開いた古泉を見とめて、俺はため息を吐いた。
 「……勘違いすんな、どっかに放置するよか、触らずこのままのが良いだろうが」
 「ふふ、そう言われれば、そうですね」
 「だからこんなん俺が欲しがると思うか?」
 「すみません」と言って、苦笑の顔のまま古泉は顔を傾げた。妙に癪に触ったが無視して、俺はとっとと帰る用意を再開させた。
 「そもそも、理解できない。男同士でヤってるなんて有り得ないだろ、なんでそんな漫画があるんだか」
 いっそ独り言でも良い位の呟きで、言った事に対して俺は古泉からの返答は特に期待していなかった。苦笑のまま聞き流してくれりゃあ良い、ぐらいの呟きだったのだ。筆箱とノートを鞄に詰めていく。明日になって妙な噂が立たんようにとっととこの本を持ち主が持っていってくれることを祈りながら、鞄を肩にかけた。
 振り返ると古泉の顔が妙に近かった。何でそんなマジな目をしているんだ古泉よ。
 「案外、イイのかもしれませんよ?」
 一瞬古泉が何を言い出したのかわからずに、数回瞬いて隙を見せてしまったのがいけなかったのかもしれない。いや、その前の「理解できない~」の発言がいけなかったのか。それとも更に前、古泉にこの本を見せたのがいけなかったのか。
 気付けば教室の床に押し倒されていたという結末だ。

 ハア、と荒い息を首に感じて、そろそろだろうかとどこか遠い場所から観戦している俺の中のもう1人の俺が思った。獣じみた動きの古泉にしがみついてゾクゾクと背筋を這い上がる快感をやり過ごす。
 ムカつくほど長い古泉の指が俺自身に絡み付いてきつく扱かれる。目の前がチカチカとスパークする。
 汗で滑る古泉の肌を感じながら、頭の奥が熱に浮かされていく。
 自然と漏れてしまう声をどうにか耳にしないようにしていると、耳元でボソリと古泉が何かを囁いた。瞬間、体内の快感に直結しているような部位(所謂前立腺というやつだろうか、以前に何か古泉が言っていた気がする)を、思い切り突き上げられて、俺は意識をホワイトアウトさせていた。



 「なんだって俺なんだか」

 行為の後呟いた俺に、「何ですか?」と古泉が顔を上げた。何でも無い、と答えれば、疑問を顔に貼り付けたまま風呂場へ古泉の姿が消える。
 なんだって俺なんだか。心中でもう一度呟いて、けれど答えはでなかった。あるのは結果だけだ。
 (愛してる、なんてなあ)
 ロマンチックというか、最早乙女じみている。そういう言葉を吐く相手は俺じゃあないだろう、と言いたい。
 けれどまあ、それが嘘ではないことはわかりやす過ぎるぐらいだった。振り返ってみてみれば古泉の行動はちょっと成長した中学生だ。いや恋愛に慣れてない親父かとも言える。ふとした瞬間のボディタッチやアイコンタクト、妙に近い距離感。
 と言うか、この行為の始まり自体、そう考えなければおかしいような繋がり方だ。案外、何でも無いような振りをするのが、古泉は苦手だ。
 ざあざあと風呂場から聞こえるシャワーの音に耳を傾けながら、古泉の部屋の真っ白な天井を眺めた。
 (「愛してる」)
 思い返して少し肌がざわめく。聞こえるか聞こえないぐらいかの小さな声で囁かれる、本音らしい甘すぎるセリフ。そうして俺は毎回その言葉を、しっかりと聞いている。
 その後に古泉が、何か物欲しげな顔をするのも、知っていた。

 「本当に、何だって俺なんだか」

 苦笑しながら呟けば、シャワーの音の間から「何がですかー?」と古泉の訊ねてくる声が飛んできた。



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肉体的古キョンの精神的古キョン古。ヘタレだといつか食われそうな古泉。このあとはきっと甘々な古キョン古ができあがるに違い無い。
ぶっちゃけ夜中のテンションで書いたのでいろいろ見逃してください。既出してそうなネタ+エロ+あんま意味無い回想シーン。でも書いててちょっと楽しかったですてへ!(殺したい
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2007/09/15(Sat) 04:46:22
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