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Name:毎日がエイプリルフール!
管理人:セミ URL:http://waraiya.blog.shinobi.jp/ フリーリンクですお気軽に。 報告も必要ないです。 ※BLとかパラレルとかはたまたイヤンなものとかあるんで図書館で閲覧とか公式見た後にすぐ飛ぶとかオンラインブクマとかは遠慮していただきたい…!あとBLとか腐ってないとことかからリンク貼る時はBLあるよとか明記してあげてください常識! (ゴミ箱代わりにしてたから必要ないかと思ったけど手風呂からリンクつなげちゃったから一応……)
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Tegaki_blog
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高校生探偵がこの世から消え、その代わりに現れた小学生も消え、江古田に一つ喫茶店が出来た。
十一月。寒気は勢いを増すばかりの日々で、黒羽快斗は長いマフラーに顔をうずめた。そろそろ学ランとマフラーだけでは耐えられなくなってきているが、コートを出す手間も惜しい。しかしひょうと寒風が足元を吹き抜けて、快斗はどう押入れをひっくり返せば効率よくコートが取り出せるかを考え出した。 「いらっしゃいま……、また来たのか」 「一日ぶり、マスター」 細長い店内には、カウンター席しか備え付けられていない。その椅子もたったの5席しか用意されていないのだ。当然の如く店内には客は居らず、快斗を向かえたのは不機嫌そうなうら若いマスター一人である。カウンターの奥で座り、どうやら読んでいたらしい新聞を畳んで置きいかにも面倒そうに立ち上がり、快斗をあしらうかのようにヒラヒラと手を振った。 「いつもの?」 「や、今日はカフェオレで」 「へえ、夜遊びしすぎるなよ」 交わす会話は親しみのあるもので、きっちりと上まで止められたシャツと黒のタイが大分大人びて見せているものの、マスターも高校生の快斗と殆ど変わらないぐらいの年齢に見える。声も随分と若い――いや、似ているのか? そういえば顔も似ている気がする。と、じっと快斗が見つめると嫌がるようにマスターは背を向けた。ついでのように、繊細な模様のえがかれたカップを手に取り、湯を張った鍋へそれを入れる。マスターの横顔に僅かな翳りを見つけて、快斗は眉を顰めた。 「それは、俺のセリフだな。ねえ、マスター」 カウンターから乗り出すようなかたちで手を伸ばし、快斗はマスターの髪を軽く引いた。目を瞬かせたマスターに少し機嫌を良くしながら、ポーカーフェイスのまま快斗は寄せた眉をそのままに詰め寄った。 「昨日は何時間寝た? ちゃんと寝てんの? いっつも隈、酷いよ」 「良いんだよ客はそんなこと気にしなくて」 ひらりと払われた手にムッと顔を歪めながらも、これ以上追求しても無駄な事を快斗は知っていた。払われたまま大人しく席に戻れば、仕方なさそうにマスターは笑う。 「ねえマスター」 「なんだよ」 「俺の名前、黒羽快斗っていうんだ」 「知ってる」 定例のように繰り返される言葉がある。マスターの目の下にある隈と同じように。 「マスターの名前は?」 「さあ、なんだろうな。ほら、出来たぞ」 カチャリ、上品な音を立てて快斗の前に淡い色のカフェオレが差し出される。快斗の一番好きな味のカフェオレだった。フワリと立った湯気と共に、コーヒーの苦い香りが快斗の鼻を擽った。 PR 2009/01/19(Mon) 00:50:19
ざらついたコンクリにつけていた頬が不意にぬるりと滑って、閉じていた瞼を開けば予想通り血の海が広がっていた。さっきまではそれほど広がっていなかったそれが、今では髪の先を赤く染め上げるほどに体の周りを埋め尽くしていた。あれほど汚したくなかった衣装も、始めからその色だったんじゃないかというほど真っ赤に染まり上がっている。
走り回りすぎてどこの港かもわからない、しかし確実に数ヶ月は見つけてもらえないだろう倉庫にゴミのようにうっちゃって捨てられている。月下の怪盗の名前はどこにも見あたらず、埃まみれの蛍光灯すら照らしてくれない。 馬鹿をしたことはわかっている。と言うより、始めから馬鹿だったのだ。無謀だとはわかっていた、いろんな人を巻き込んだのもわかっていた、これは罪であり罰だ。 だくだくと溢れる血の海を眺めている。失い過ぎたのか酷く寒くて、おそらくは気を失わないのがおかしい状況なんだろうと思った。 ふと思い立って、重たくてしょうがない腕を動かして携帯を取り出した。11桁の番号を押していく。呼び出し音が耳元で喚いて、口を開いた。 「あ、やっほー新一久しぶりってそうでも無い? やだなあちゃんと相手してよ、いやいや今度の土曜遊ぼうって言ってたじゃん。実はあれちょっと行けそうになくてさ、頑張れば行けるかもしんないけど慌ただしくなっちゃうかもだし。そんな約束なら始めからするなって? いやだってせっかく新一から誘ってくれたのにさ、あれ誘ったのは俺の方だったっけ。まあとにかくそんなことより代わりにいつ行くかってことの方が重要だよ新一。ええ、もう約束しないとか言わないでよそんな寂しいこと、ごめんごめん、ほんとごめん、ね。大好き愛してるだから許してもう一回だけ、」 ぐらりと視界が歪んで言葉がとぎれた。まだ呼び出し音が鳴り響いている。ああさすがにもうそろそろ駄目なのかもしれないと感じ取った。指先が寒いなんて飛び越えたぐらいに冷たい。震えだしてしまいたいのをこらえながら携帯を握りしめた。 「俺と約束してよ新一」 呼び出し音が鳴っているかどうかも最早わからないまま携帯を切った。通話の終了音が虚しく響く。 届くよりは届かない方がずっと良い。何故ならもう俺には果たすことのできないことのうちの一つだからだ。本当なら今回の仕事が終われば会いに行こうかとも思っていた。 今までずっと頑張ってきたから、最後くらいはこんな程度の虚言だって許される。本当はずっと呼びたかった名前。交わしたかった約束。 意識が混濁してきて、けれど俺は余程幸せな気持ちで目を閉じた。 「おいさっきの電話なんだよ、約束してよだなんて言われたってなんのことかわかんねーし。っつーかおまえ誰だ? 名前くらい言えよばーろーとりあえずそっち行ってやるから場所教えろ、なんか事件っぽいじゃねえか俺は探偵だから行かなきゃ駄目だろ、ばかきっど」 2009/01/16(Fri) 19:36:21
ざわめいた夜空を見上げれば不穏な赤い月がぽっかりと浮かんでいた。住宅街は静かで、どこまでも平和だ。快斗は小さく嘆息した。 2009/01/15(Thu) 01:49:52
ある日ふと気付いた。
親父は空を飛び水に生き増殖しそして憎しみと欲望で全部無くなってしまったのだと。 インスタントカフェ http://www2.ttcn.ne.jp/~dodome/ic/ 銀の色 なんとなくで選んだ、色を散らして 266「それに、黄ばんだ事実」 2007/11/15(Thu) 01:44:13
「人間って何か厭だな」 2007/11/15(Thu) 01:40:09
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