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妄想散文置き場、時々日記。小説リストは左からどうぞ。(R)は18歳以下は見ちゃ駄目よ☆です。
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2024/11/24(Sun) 01:18:05

 正直なところ俺は彼の断続的に宙を滑空し生きているような様が羨ましくて堪らなかったのだ。だから白い翼を畳む事はできなかった。今でもキッドを遣っているのは鳥渡した我侭だ。

 彼、工藤信一は、先に述べたように断続的に滑空しながら生きている様な人物だ。天に昇りきって仕舞う訳でもない、地べたに這いずったままで居る訳でも無い。気付けば非日常という空中を滑っており、かと思えば日常に溶け込んで悠々と雑踏を歩いて居る。そんな人物だ。
 俺はといえばIQが200あってしまったりキッドをやらかしたりしては居るが所詮一般人だ。空を飛ぼうにも道具が必要で、日常に溶け込むにはほんの僅かな違和感が俺を苛んだ。
 俺は新一が羨ましかった。羨ましくて堪らなかったのだ。だからまだキッドなんてものをやっている。

 自分でも、馬鹿な人間だと理解っている。

 パンドラだって随分と前に見付かって、今は俺のベッドの中だ。黒い奴等から強奪した其れを綿密に粉々にし、それでも未だ不安でベッドの中の綿に紛れ込ませた。其れからというものずっと俺はパンドラの夢を見続けているがしかし、問題は其処ではないのだ。
 キッドを終わってしまえば俺は只の鳥渡頭の良い一高校生だ。地べたを這って空を見上げ、「俺もああ遣って飛んでいたのだ」と呟いて終わる日々が待ち受けている。
 しかし工藤新一は違う。どうやったって新一は事件に付きまとわれる。そして其れの解明を、犯人ですら新一に求めるのだ。
 (嗚、羨ましい)
 だから俺は羨望の眼差しを腹の底に隠しながら今日も夜の空を飛ぶ。意味も無く宝石を月光に翳し、そうして息を切らせて遣って来る新一を迎え撃つのだ。同じ空を滑空する物、怪盗キッドとして。
 (嗚、何て幸福、俺は未だ空を飛んで居られるのだ)

 (嗚、羨ましい)

 「ああ、うらやましい」



 

 

 

 

インスタントカフェ http://www2.ttcn.ne.jp/~dodome/ic/
銀の色 なんとなくで選んだ、色を散らして 266「空を飛ぶ生き物」

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2007/11/15(Thu) 00:35:49
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