妄想散文置き場、時々日記。小説リストは左からどうぞ。(R)は18歳以下は見ちゃ駄目よ☆です。
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Name:毎日がエイプリルフール!
管理人:セミ URL:http://waraiya.blog.shinobi.jp/ フリーリンクですお気軽に。 報告も必要ないです。 ※BLとかパラレルとかはたまたイヤンなものとかあるんで図書館で閲覧とか公式見た後にすぐ飛ぶとかオンラインブクマとかは遠慮していただきたい…!あとBLとか腐ってないとことかからリンク貼る時はBLあるよとか明記してあげてください常識! (ゴミ箱代わりにしてたから必要ないかと思ったけど手風呂からリンクつなげちゃったから一応……)
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Tegaki_blog
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ぼんやりと浮かんだ夜の空にだらりだらりと二本の足が揺れている。あれは13の階段を上がってしまった、自分の末路の姿なのでしょう。
罪を犯したのは生まれた瞬間でした。 産声よりも先に自分の耳を支配したのは、男のものとも女のものともつかない獣のような悲鳴で、おかげで自分は生まれて初めての声を人の死に潰されてしまったのでした。 その様に始まった、始まってしまった自分の生は今年で17年目になるのですが、自分の命が尽きてしまう前に一体如何程の人の死を、魂を、憎しみを目にするのでしょうか。それは不幸であり、幸福でした。絡み合った事柄を解いていこうとする、これは宿命であり、贖罪であり、ただの趣味でした。 きっと今すぐにでも命を絶つべきなのでしょうが、如何せん自分はとても弱い人間だったので、今もこうして生きております。足や腕、首や顔にまで縋りついてくる数多の細く生白い腕を振り切る、その術を知っていても、それをするだけの力は持ち合わせておりません。 細い指の中に紛れて、白い手袋の強い掌が心の臓を柔らかく押さえているのを疾うに気付いていましたが、それに逆らう気は毛の先ほどもありません。何故ならその手こそが罪を糾弾し、断罪し、救済してくれるのだと知っていたからです。 いつかその手が背中に回され、とんと背中を押してくれるのを待ちわびているのですが、その手はじわじわと心臓を撫でるばかりです。「握りつぶされるのも悪くないだろう」そう言いながら、ゆるりと這い回る指先を放りっぱなしにしているのは、やはり自分が弱い所為なのでしょう。 だらり、だらりと足が揺れている。糾弾を、断罪を、救済を待つ自分の顔がじぃと見つめてきている。此方に伸ばされた白い手は胸の中へ入り込み、如何やら心臓を掴んでいる様でした。 そして自分も同じように、目の前の体の心の臓を掴んでいるのです。 目の前のそれは自分と全く同じ姿形をしているのですが、唯一違う場所がありまして、それは片方の目にかけられた白いモノクルなのですが、やたらと近視感のあるそれを目の前のそれは決して外そうとはしないのです。 だらりと垂れた足が揺れ、自分と全く同じ顔が、まるでまっとうな人のように笑いました。 「 」 PR 2007/10/05(Fri) 19:10:12
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