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妄想散文置き場、時々日記。小説リストは左からどうぞ。(R)は18歳以下は見ちゃ駄目よ☆です。
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2024/11/23(Sat) 23:26:48
 今日はひどい快晴だった。
 せっかくの冬だというのに暖かくなってしまって、俺は厚手の上着を脱ぐか否かで困窮してしまった。暑いならとっとと脱いでしまえば良いじゃないかという声が聞こえてきそうだが、しかし俺が中に着ているのは薄手の長袖Tシャツ一枚だけだ。さすがに暖かい日とはいえこれでは脱いでしまえば寒いばかりだろう。
 どうしたものかと隣を見れば涼しげな顔でコートを手にした古泉が「今日は良い天気ですねえ」なんて良いながら薄ら寒い笑顔で空を仰いでいる。憎々しく思いながら俺はコートの前を開けた。開けた瞬間にひゅうと冷たい風が入り込んできて、少々汗をかいていた体が冷やされ、まるで動物がするかのようにブルリと体を震わせてしまった。
 なんで今日ばかりは早く来てしまったのかと、自然に目が覚めた自分の健康加減を恨んでしまった。しかも朝比奈さんが居るならまだしも早すぎて古泉しか居ないというこの侘びしさである。寒い。
 はあ、と白くもならない溜息を吐けば、不意に隣からの視線に気づかされた。なんだか気付いてしまったことにムカついたので俺は「何だよ」も「俺の顔に何かついてるのか」も言ってやることもなくまた視線を前に戻した。そうすれば古泉が何やらわたわたしている様子が空気で伝わってきて、俺はそれを無視するのにどうも苦労した。視界の端に動きかけて止める手のひらに声をかけずに居られたのは奇跡のようなものだ。
 暫くして古泉の気配が黙ったと思ったら、突如「あ、涼宮さんですか? すみません移動中に」という声が聞こえて、俺は思わず振り返ってしまった。運の悪いことに古泉とばっちり視線があってしまって、なんか全部わかってますよ的なうざったいウインクをかましてきやがったので、とりあえず俺はげんなりしながら違う方向を向くことにした。した瞬間に会話が終わったらしく古泉は俺の腕を引き「さあ、行きましょうか」と笑顔で告げてきやがった。何なんだと問う暇もなくぐいぐいと腕を引かれて引きずられるように移動し始めてしまう。
 「ちょっと待てなんなんだいったい」
 「あれ? 電話の内容、聞いてなかったんですか?」
 「んな悪趣味な事するか」
 「喫茶店に入ってましょう」
 鳩が豆鉄砲をくらったと思ったらチャボにあたったような顔をしただろう俺は二三歩ずるずると引きずられてからその真意にたどり着いた。
 こいつもよくやる、と思いながら引きずられつつ、少し嬉しいような気持ちになったのはきっと古泉と友達っぽいことができた所為かも知れない。なんていう馬鹿馬鹿しい思考を振り払ってついでにっていうかこれがメインなんだがいつまでも絡み付いている古泉の腕も振り払って、俺は競歩で喫茶店に向かうことにした。
 あれだ、寒かったんだよ。いや暑かったんだ。じゃなかったらこの耳の赤さの理由に説明がつかないじゃあないか。



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2007/12/04(Tue) 01:44:53
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